こんにちは、みのむしチャンネルにようこそ。
今回は漫才コンビはらいちの岩井勇気さんが書いた初エッセイ「僕の人生には事件が起きない」を読んだ感想を投稿させていただきます。
岩井さんと言えばテレビ東京の深夜番組「ゴットタン」の腐り芸人三銃士の一人ですよね。毎回笑わせてもらっています。
過去に腐り芸人セラピーについて投稿させていただきました。よろしければどうぞ→
初エッセイとは思えないほど読みやすかったです。さすが漫才のネタを書いてる方だと思いました。以下大きく3つの視点で感想を書かせていただきます。
弱点をさらけ出している
印象的だったのが、激しい物忘れをテーマにした「忘れる、という能力者」と極端な放置癖をテーマにした「組み立て式の棚からの精神攻撃」の2編です。
テレビで見る岩井さんはとても几帳面で粘り強い性格に見えるのですがさもあらん。この2編からは自分の弱点を克服し切れずに身もだえている岩井さんの姿が見えます。
放置癖の方は私にも思い当たる節があります。何か自分の思い通りにいかない事があると、とりあえず問題解決する事を諦めてしばらく放置する事が。その時は思いつかなかったアイデアが後日閃いて解決に至ることもありますがそんな事はまれで、大概は放置しっぱなしでフェードアウトする事が多いです。
物忘れの方は大変ですね。日常生活にも完全に影響を与えてますね。それでも文面からは悲壮感はなく、岩井さんはそんな自分を楽しんでいるようにも感じられます。
人間って弱点があるから愛おしいんですよね。
さらけ出された弱点を見てますます岩井さんの事が好きになりました。正直意外で強烈な弱点でしたが、腐り芸人として見せている顔と全く違う内面が見れて、(完璧な人間なんていないんだなぁ)と変な安心をしました。
すべらない話
このエッセイ集を総じて言えば「岩井さん一人による すべらない話」です。
タイトルにある通り「僕の人生には事件が起きない」んです。特別に面白いことも大事件も起こっていない極めて普通の人の日常なんですが、語る人が語るとこんなにも起承転結の有る笑える話になるんだなぁと感心しました。
底にあるのは「人間洞察力」「一般常識」なのではないでしょうか?
すべらない話に出場されている芸人さんにも言えますが、特別な大事件でもないのに凄く面白い話にまとまっているのは話の「構成力」とも言えますが、それ以前に人間のどんな部分が面白いのか?その時の心理変化が面白いのか?日常良く観察されているんだと思います。
芸人さんが話をしても聞いている私たちの共感を得られなければ笑ってもらえません。だから独りよがりの笑いにならない様に「一般常識」が重要なんだと思います。今世の中で起こている事なんかも知らなければ世間ずれしちゃいますもんね。誤解を恐れずに言えば芸人さんたちは努力家でなければいけないんでしょうね。
本エッセイの話はどれも「すべらな~~い」話でした。
相方の澤部さんについて
本エッセイの最後の話は「澤部と僕と」というタイトルで書かれています。かなり二人の関係性を深堀した話なので、ここまで書いちゃって大丈夫なのかなぁと読んでる方が心配になります。
どうかこの本が澤部さんの目に入りません様に・・
二人は小学校からの幼馴染なのですが、当時は澤部さんが笑いのセンスの塊に見えたそうです。ところが年を重ねるうちに澤部さんが実は「無」である事に気づきます。「もともと何にもないところに色んな人の価値観を貼り付けてできた化け物だからである」(本書より引用)
「無」であるからこそオリジナリティを出そうとせず吸収した笑いをアウトプットできるのが澤部さん強みで、一緒に笑いコンビを組んだ岩井さんは反対に「唯一性」を求めていくのです。
ピンでもコンビでも面白い芸人さんって実力があるってことですよね。漫才も好きなのでまだまだ楽しませて欲しいです。
まとめ
・岩井さんの初エッセイ「僕の人生には事件が起きない」は全編すべらない話でした
・岩井さんにはとんでもない弱点があった
・紹介出来ませんでしたが一番好きな話は、後輩芸人トシボーイをテーマにした「ほとんど後輩と連まない僕と 仲の良かった後輩」の話でした
今回は書籍紹介をさせていただきました。最後までお読みいただきありがとうございました。
では、また。
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